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製作発表が行われました!

本番まで2ヶ月を切った10月13日に春秋座ロビーにて製作発表を行いました!!

登壇した翻訳・構成・演出の渡邊守章さん、出演の剣幸さん、茂山逸平さん、映像・美術の高谷史郎さんのコメントを紹介いたします。

<撮影:桂秀也>

◆渡邊守章(翻訳・構成・演出)

この作品は、恋人のすれ違いのメロドラマです。私が留学生時代にパリで見た芝居で、いつかこの作品をやってみたいと思っていたのが、『ロレンザッチョ』とこの『繻子の靴』でした。この作品は近代戯曲の通例とは違って長短入り混じった自由詩で書かれているのです。これをクローデル風ヴェルセというのですが、これをいきなり歌舞伎のせりふ風にしたり謡曲みたいに言えばいいというのではないので、そこが翻訳者としては苦労したところであり、役者の方も身体と魂がかけられている強度をもっていないといけないと思っています。8時間の超大作になりますが、お客様にとって単に過酷ではなく知的ならびに感覚的に芝居の面白さがわかっていただければうれしいです。

◆剣幸(プルエーズ役)

渡邊守章さんの演出作品に出演するのは、これで3度目になるのですが、渡邊さんが翻訳する日本語の美しさが大好きです。セリフを発していても言葉が感情を持っていってくれると常々思っていました。このドニャ・プルエーズという役は、私が今まで演じた女性像を集めても間に合わないぐらいの役で、繊細で大胆で情熱的で道徳心があって、賢くて、ずる賢くて私の中のありとあらゆる面を出して演じていかないと追いつかないぐらいのやりがいのある役です。8時間、たいくつしない、面白かったといっていただけるような芝居にしたいと思っています。

◆茂山逸平(聖ヤコブ、日本人画家大仏、他)

2008年にオラトリオ版をやったときにも出させてもらったのですが、狂言師として呼ばれたからには、何か意味があるんだろうなと思っていますが、まだ、つかめずにおりまして、今回こそはつかみたいと思っています。狂言はゆっくり話すのですが、渡邊さんの演出作品は、きっちりとした日本語をある程度のスピードを持って話さないといけないので、そこが私ども狂言師の課題だと思っています。先生の言葉を次の世代へつなぐ役目としても、この芝居を楽しんで参加したいと思っています。

◆高谷史郎(映像・美術)

『繻子の靴』のため2年ほどかけて渡邊さんと打ち合わせを重ねてきました。渡邊さんの翻訳は、作品の奥深さを理解するための膨大な注釈のようなバックグラウンドがあり、それを踏まえた上でのセリフであり演出だと思っています。ですから言葉で伝えられる部分以外の注釈部分を少しでも映像や装置を使って表現できれば、この映像とこの言葉を掛け合わせると、こういう風になるんだ!というところをお見せできたら面白いなと思っています。


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